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【全教中執・声明】2010年度文部科学省予算案の閣議決定にあたって 

全教中執より声明「2010年度文部科学省予算案の閣議決定にあたって」が発表されていますので紹介します。

2010年度文部科学省予算案の閣議決定にあたって

2010年1月7日
全日本教職員組合中央執行委員会

1.政府は、2009年12月25日、2010年度政府予算案の閣議決定を行いました。9月の総選挙の結果を受けて発足した民主党を中心とする新政権のもとで注目された予算でした。国民生活をめぐる厳しい状況も反映して、総額92兆2992億円、公債費などを除く一般歳出でも53兆円となり、当初予算案としてはいずれも史上最高規模となっています。このもとで、文部科学省予算は、5兆5926億円と前年比5.9%増、伸び率はここ30年間で最大規模になったとされています。「OECD平均並みの教育費確保」の目標からすれば、不十分ですが、教育関係予算の増を求めてきた私たちの運動を一定反映させたものといえます。予算の全体をみたとき、子ども手当の創設や公立高校授業料無償化に踏み出すなど積極面とともに、税収減でありながら軍事費や大企業、大資産家への優遇措置には手をつけず、特定扶養控除の縮小など庶民増税で補うなどの弱点を抱えた予算編成となり、歳入の約半分にあたる44兆3030億円を新規国債の発行に頼るなど大きな課題を残すものとなっています。

2.多くの父母・国民、教職員の運動と世論を反映して、政府予算案には、公立高校授業料について「授業料を徴収しない」方法で無償化することが盛り込まれました。また私学に対する就学支援金の創設が盛り込まれたことも、「受益者負担による高校教育」を推し進めてきた自民党政治の流れを大きく切り替える貴重な到達となりました。しかし2段階の取得区分を設け、いっそうの事務煩雑化が懸念されるとともに「私学も無償に」の声に応えなかったことは、課題を残しました。一方、私学助成に関わっては経常費助成費等補助が、前年度比40億円減額されており、私学経営と授業料関連への影響が懸念されます。文部科学大臣が、国際人権A規約第13条2項(b)(c)の留保撤回を表明している条件を生かし、すべての子どもたちの教育を受ける権利を保障する立場から、学校設置者を問わずに授業料無償化、授業料からさらに学校納付金(学費)・教育費の無償化に向けてのとりくみをいっそう強化する必要があります。当面、特定扶養控除の縮小で負担増となる家庭への救済措置を求めるものです。また制度創設が見送られた給付制奨学金については、文部科学省は「09年度補正予算における『高校生就学支援基金』の対象事業に追加する方向」(私立高校の無償化施策パッケージ)としており、高校教育を希望するすべての生徒が経済的理由で学ぶことができない事態をつくらない制度設計が求められます。

3.「事業仕分け」で、国と地方の役割をめぐって議論になった義務教育費国庫負担金制度は、経費の国の負担割合3分の1は堅持されましたが、今後も削減を許さないとりくみが重要です。教職員定数に関わっては、概算要求における5500人には達しなかったものの4200人増員が予算計上されました。今年度の児童・生徒数の減少に伴う「自然減」3900人に対して、わずか300人とはいえ増員となりました。これは7年ぶりのことです。また概算要求で盛り込まれていた主幹教諭の配置による「マネジメント機能強化策」が全面削除されました。特別支援教育の充実への1778人は、子どもと学級の急増により現場から強く望まれているものであり、今後も計画的な増員が必要です。引き続き、新たな教職員定数改善計画の策定をめざす運動を強化し、国の責任による30人学級、教職員定数増などの実現を迫ることが重要課題になります。

4.概算要求でなかった「メリハリある教員給与」を口実にした義務教育等教員特別手当及び給料の調整額のさらなる減額については、予算案では2011年1月からのさらなる減額分が想定され、計上されています。いっそうの教員給与引き下げを予算の圧力によって行おうとする前政権同様の手法であり、断じて容認できません。

5.改悪教育基本法の具体化をめざす動きに一定の歯止めがかかるとともに、なお、そのねらいをおしすすめようとする予算案になっているのも特徴です。国民的な批判の高まりを受けて、「事業仕分け」でも厳しい批判が集中した全国一斉学力テストについては、概算要求で強調された40%の抽出率がさらに圧縮され約30%とされ、学校ごとの抽出としました。さらに、文科省は「抽出対象外となっても学校の設置者が希望すれば調査を利用できるようにする」とも説明しています。文部科学省は、すでに学校設置者には「希望しない」という選択を事実上できないような調査を強行しており、「限りなく悉皆に近い調査」を志向していることは明らかです。予算を減額しながら、この立場を貫けば、地方に財政転化しながら、非教育的な学力テストを継続することになります。全国の実態を告発しながら、全国一斉学力テストの中止、実施の押しつけを許さないとりくみを強めることが求められます。教員免許更新制に関わっては、「免許制度の抜本的な見直しを含め、教員の資質向上策について総合的な調査・検討を行う」予算(2億2300万円)が計上されるとともに、免許更新講習に伴う山間地離島へき地等講習開設事業として2億4600万円が計上されています。これは、初年度の更新講習に対応する予算と比べると1/5に圧縮されています。教員免許更新制は、教員養成や免許制度の見直しと連動させず、ただちに廃止させ、2010年度から少なくとも免許失効に結びつくような講習のあり方は抜本的に見直すことが求められます。問題視されていた「心のノート」をWEB掲載などにし、道徳教育推進の予算を前年度予算から6億3000万円削ったことは、父母・教職員の願いに応えるものです。

6.全教は、この間のとりくみによって実現した貴重な成果を確信にしつつ、今後の予算審議に国民の要求を反映させ、なお山積する教育課題の解決に向けて全力をあげるとともに、教育政策の抜本的転換をめざす運動をさらに前進させる決意です。

以  上


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( 2010/01/08 14:38 ) Category 共闘 全教・日高教 | TB(0) | CM(0)
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