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【声明】高校必修科目の未履修問題について 

岐阜県教職員組合県執行委員会は、11月6日「未履修問題」についての声明を発表しました。 必修科目の未履修問題の波紋の中で、教育の原点を考えてみよう

高校必修科目の未履修問題について(声明)

2006.11.6
岐阜県教職員組合執行委員会

 富山県の高岡南高校の「世界史」未履修に端を発して、「高校3年生がこのままでは卒業できない」事態が、全国約500校・8万人に広がりました。県内でも、現在のところ私立8校・公立4校から未履修が報告されています。生徒から「私たちの学校は大丈夫なのか」と問われた教職員も少なくないようです。

 私たちは、まず何よりも生徒たちが安心して学び、無事卒業できるような方策を採られるよう関係者・関係機関に要望します。そして、なぜこのような虚偽報告が行われたのか、なぜルールを無視しても大学受験用のカリキュラムにしていたのか、原因・背景を明らかにしなければなりません。文部科学省・教育委員会の責任はもちろん、私たち教職員の教育観・教育実践も問われています。

 この問題の背景には、なによりも大学受験競争の過熱化があります。大学受験のための中高一貫校、特区でトヨタ・JR東海・中部電力がつくった「海陽学園(全寮制6年制中等学校)」、普通科の単位制高校、通学区の撤廃、高校入試の多様化など競争の中で、高校の格差はますます広がっています。少子化の中で大学全入時代などといわれることもありますが、一部の有名大学をめざす受験競争は加熱するばかりです。学習塾の繁栄を見れば一目瞭然です。有名学習塾の先生が、公立学校の教員研修の指導者になっているのは珍しくありません。こうした中で、いわゆる進学校では土曜補習、ゼロ時間、7時間授業、夏休みの短縮などとどまるところを知りません。ほとんどの生徒は、学習塾にも通うダブルスクールの生活です。教職員は、カローシライン(月80時間超)を越す長時間勤務です。自分自身の子育ては二の次になっているのが実情ではないでしょうか。
 その上に、「国公立100人」とかの数値目標で競わされ、模擬試験で各県・学校・クラス別の成績が問題にされ、生徒も教職員も悩み疲れ果てています。「学校評価制度」「査定昇給」「学区の自由化」「教育バウチャー制度」が実施されれば、学習指導要領を守ること以上に「実績」をあげることが優先されるでしょう。
 国立大学も「独立行政法人」になり一層「実績」を求められて、自分の大学に優秀な生徒を集めようと「大学入試の多様化」を進めています。大学入試制度やセンター試験制度の問題など大学教育のあり方や国立大学を「独立行政法人化」した文部科学省の責任も問われます。

 当初、岐阜県教育委員会は「(未履修は)ありません」と答えていたようですが、県教委も学校も虚偽報告をしてまで実績を上げようと言うのは異常と言うほかありません。授業を受けている生徒たちから見れば、ウソか本当かはすぐわかるわけですから、教育現場でのウソの報告は「建前と本音を使い分けろ」「ウソも方便」と教えているようなものです。ルールを破っても、ウソを言っても「勝ち組」になり出世することこそ大事なことだよと教えていることになるのではないでしょうか。

 それでは高校生にどのような力を育てることが必要なのでしょうか。私たちは、ありのままの生徒の現実から出発し、わかる楽しさを実感させたい、共に学び行動する楽しさ・充実感を味合わせたいと考えています。共通の教養を身につけ、生徒参加の学校づくりを進めるために奮闘してきたつもりです。未熟さや不十分さはありますが今後も努力を続けます。しかしながら、教職員は現実と理想の狭間でとても苦しみ悩んでいます。受験というのは大きな大きな圧力なのです。

 それでも、私たちは教育の根本は教育基本法だと考えています。今回の問題を機に、「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成(前文)」「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家および社会の形成者(第1条)」として必要な教育を考えなければなりません。教育は、目先の利益や実績にとらわれてはなりません。平和な日本の未来を創造する人間を育てる大事業なのです。

 今回の問題で、受験競争の歪みや学習指導要領の問題にふれないで教育委員会不要論や校長の責任ばかり問う議論が、国会でなされているように感じます。教育問題の解決は、国や県の行政が圧力や処分で済ませてはなりません。何よりも、不祥事を機に行政が教育内容に介入してはなりません。教育問題は、個人・地域・学校の微妙な問題への配慮・工夫を伴った取り組みが必要です。全教職員による論議と生徒の意見を大事にした取り組みを呼びかけます。
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( 2006/11/07 13:52 ) Category 要求・課題 教育条件 | TB(0) | CM(0)
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